子どものアレルギーと便秘について

症状

アトピー性皮膚炎

しろくまでの治療の原則

赤ちゃんから学童まで多い病気のひとつがアトピー性皮膚炎です。
しろくまでの治療の原則は

  • かゆみを止める
  • 皮膚の表面の状態をきれいにする
  • 皮膚の深い見えないところの病気の元を改善する

これらを目標に行なっています。

適切に治療すれば1週間程度でかゆみを止め、皮膚の状態をよくすることができます。あとは時間をかけて奥深い炎症を治めていくことが大切です。

子どものうちに治療して
病気を大人まで持ち越さないことが大切です

アトピーがあると食物アレルギーにも罹りやすいと最近は言われています。

ほとんどのお子さんで辛い状態から無理なく改善することができますが、一人一人に合わせて工夫を凝らした治療が必要です。困っている時は相談に来てください。また、感冒やほかの病気の診察でアトピー性皮膚炎かなと私が感じた時はお声がけいたします。

アトピーと気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーを合わせて持つお子さんも多いので、しろくまでは合わせて治療していきます。

気管支喘息

喘息というと呼吸が苦しいであるとかヒューヒューする呼吸音があると思われがちです。それは間違えないことなのですが、症状が一見軽くても咳や苦しさで困っているお子さんを散見します。よくありがちなことは咳が長い(2週間以上)、いつも風邪を引くと咳が長引く、運動を始めると咳き込む、お布団に入ると咳が出やすいなどです。色々と喘息のヒントとなる症状があり、このような時は喘息の治療をすると症状が改善する場合があります。治療に使う薬はステロイド、気管支拡張剤、抗アレルギー剤を使います。家では吸入と飲み薬を使ってもらいますが、苦しそうな時は点滴治療を行い落ち着いたところで帰宅します。

2ヶ月で治療は終わりますが不十分な治療だとすぐに発作を繰り返すため医師の指示に従ってゆっくり薬を減らします。小児喘息も現在の治療を行えば大人になるまでに治るようになりました。

食物アレルギー

赤ちゃんに多いアレルギーは卵、ミルク、小麦が多く症状を見ながら血液検査や皮膚検査で診断します。大切なことはアレルギーがあっても調理法、量を見極めて摂取できる量を決めていきます。また、場合によりアレルギー専門医と連携しながら診療を進めます。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は主に花粉が原因の季節性の鼻炎と、ハウスダストやダニが原因となる通年性鼻炎に別れます。
季節性の鼻炎はいつも鼻炎が起きる時期を考えて早めに治療を始めて、季節が過ぎたら治療を中止します。しろくまでは、薬を組み合わせることでできるだけ副作用が起きにくい治療をしています。また通年性の鼻炎も治療は季節性鼻炎と同じ組み合わせですが、抗ヒスタミン剤の眠気や認知力低下が起きないよう配慮して薬を選んでいます。
ダニアレルギーの通年性鼻炎では抗原感作療法が有効で当院も近いうちに開始予定です。

子どもの便秘

お子さんの腹痛で一番多い原因は便秘です。お腹が痛い、吐いている、でも下痢はしていない時は便秘を考えて診療します。お腹を触ってわかる場合もありますが、状況に応じ超音波検査も使い診断します。便秘が疑われたら一番早く効果がある治療は浣腸です。
また、普段からコロコロ弁が多いとか、数日おきにため出しをする週間のお子さんは慢性便秘の可能性が考えられます。慢性便秘の場合は2―数ヶ月治療をした方がすっきりします。状況に応じた治療を進めます。辛抱強い治療が大切です。2歳前のお子さんは便を柔らかくし、腸の動きを強める薬を使います。2歳を過ぎると便の状態を整えるために使える薬の種類が増えるので治療がやりやすくなります。
食事療法も大切ですがお子さんの場合は急いで食事を変えることは困難なので薬で便秘を治して、薬をそろそろやめたいとなった時にお母さんと食事療法を考えます。室内が乾燥して運動量が減る冬は便秘になりやすい時期です。